2006年12月13日水曜日

“芸術がモダンということはない。なぜならそれは永遠のものだから“

エゴン・シ-レは1918年に28歳で亡くなる。しかし彼の作品は今日にいたるまで‘永遠’に人々に感銘を与え、魅力が尽きない。

ロヴェレートのMART(Museo di Arte Moderna e Contemporanea di Trento e Rovereto)では『シ-レ、クリムト、ココシュカとウイ-ン出身の画家たち』として、オーストリア・ギャラリー・ベルヴェデ-レをはじめオーストリア、ドイツの美術館からの貴重な120点以上の作品を展示、表現主義の著名な芸術家のひとりエゴン・シ-レ(1890‐1918)に焦点をあてた絵画展が行われている。1月8日まで。

場所: Museo di Arte Moderna e Contemporanea di Trento e Rovereto (MART)
http://www.mart.trento.it/
日時:2006年10月7日から2007年1月8日まで
時間:10時~18時、金曜10時~21時 

2006年10月6日金曜日

トレント 800年代の足跡を訪ねて(1)


トレントの歴史のなかで、800年代に行われた都市計画はその後の町の発展に大きく影響を及ぼしたそうだ。 それはアディジェ川の移動であり、1850年から60年までの10年間に渡って施工されたブレンネロ鉄道の設置だった。

Mart主催による『トレントの800年代』ガイド付き市内観光の覚書です。

<ダンテ広場とダンテ・アリギエリの記念碑>

トレントの駅前にある『ダンテ広場』はアディジェ川の移動にともない、1879年トレントで初の公共庭園として設計された。庭園の中心にあるダンテ記念碑は1896年にフィレンツェの彫刻家チェーザレ・ゾッキの作。台座の碑文にはダンテが『イタリア語の父』の象徴であるとともに『イタリア国民』の証拠であることが刻まれている。当時のイッレデンタ併合主義精神の明らかな関連であろう。

<前インペリアルホテル>

現在トレント県庁事務所。1873年から74年、トレントの始めての大型ホテルとして建築された。スチーム暖房や内部のエレベーターの設置などに当時の前衛的な建築が見られる。建物の一部は1898年エミリオ・パオルによってシュロのある庭園とともに増設されたもの。

<サン・ピエトロ教会>

もともと1477年に遡る建物。現在見られるファサードはネオゴシック様式で、1848年から1851年の間にガスパロ・ボルトラッツィの遺贈によって実現した。プロジェクトはトレントの特別なエピソードをもとに、パドヴァのピエトロ・エステンセ・セルヴァティコに担われた。

木製の扉にシモニーノと呼ばれる子供の彫刻が施されている。1475年の復活祭の週にユダヤ人地区を横切っていたアディジェ川の水路でシモーネという名の3歳の子供が水死体で見つかったことで、当時ユダヤ人共同体が非難を受け、深刻な裁判に発展したらしい。一方で、ユダヤ人のシモニーノ崇拝が高まったというエピソードがあるそうだ。しかし1964年に新な調査の結果、ユダヤ人の無罪が判定、翌年にサン・ピエトロ教会はシモニーノ信仰の廃止をしたそうである。

2006年10月1日日曜日

音のしわざ

パラッツォ・ロッカブルーナで行われていた『音の新しいかたちを見つける』と題した展示会に行ってきました。
フィエンメ渓谷は材木業が盛んで、歴史を遡ること12世紀から今日にいたるまでここに住む住人が築き上げてきた伝統である。
すでに16世紀頃から、この地に育成するモミの木に優れた音響効果があることは知られ、アマ-ティ、グアルネリ、偉大なストラディヴァリなど、クレモナの著名リュート製作者たちからも求められていた材質だそうだ。

フィエンメ渓谷の有限会社チレサ(Ciresa s.r.l)は50年以上にわたり、材木の選択から基礎行程の伝統をベースに現在の音響製品の製作を行っている。ピアノ、ハープ、ハープシコードのための調和のとれた木版の良質の製造は広く知られ、世界各国の楽器製造者からも多くの依頼がある。

厚さ、音、かたちの調和が音のマジックをおこす要因であり、フィエンメ渓谷のモミの木に隠されたものである。オペレ・ソノラは伝統的な楽器製造の技術をもとに、芸術的なデザインと独特なアイデアによって、質の高い音響空間の、しかも自然の音を鑑賞することもできる調度品を設計している。

2006年9月21日木曜日

Autunno Trentino トレンティーノの秋

『トレンティーノの秋』の催し予定

9月22日(金)
《Piazza Cesare Battisiti》
10-22   トレンティーノ物産展
12-22  トレンティーノ地方料理、味覚広場
16.30- 19.30 パフォーマンス “Caricature al Vino” U.サンカルロ 
20.30  コンサート、ヴォーカルバンド“Le Voci”
《Piazza Fiera》
17-22 “サルマンド”  食道楽の展示会ートレンティーノ食品物産組合
《Via Belenzani Sala della Tromba》
18-22 第49回 トレントにおける菌学展ーG.ブレサードラ菌学会

9月23日(土) 
《Piazza Cesare Battisiti》
10-22   トレンティーノ物産展
12-22  トレンティーノ地方料理、味覚広場
15-16 “クラウディア・アウグスタ街道”  トレッキング
  メアノ 発(8‐12‐15キロコース)トレント ピアッツァ・C・バッティスティ着 inf. Gruppo Culturale Le Mura c/o Patton Marco - Via Dietro le Mura B-38100 Trento-tel. 0461.263356 
17-19 コンサート “Les Quatres Chalumeaux”
18 トレッキング表彰式 
21 トレント・ボンポルティ音楽学校オーケストラによるコンサート
《Piazza Fiera》
10-22 “サルマンド”  食道楽の展示会ートレンティーノ食品物産組合
《Via Blenzani Sala della Tromba》
10-12 15-18 第49回 トレントにおける菌学展ーG.ブレサードラ菌学会

9月24日 (日)
《Piazza Cesare Battisiti》
10-22   トレンティーノ物産展
12-22  トレンティーノ地方料理、味覚広場
10 コンサート “Il Tamburo del Sole”
16 ステ-ファノ・ステ-ファニとトッポ・ビルバンテによるこどものための劇 “Dallo Zuccheo Filato”   20.30 コンサート “No Labes”
《Piazza Fiera》
10-22 “サルマンド”  食道楽の展示会ートレンティーノ食品物産組合
《Via Blenzani Sala della Tromba》
10-12 15-18 第49回 トレントにおける菌学展 (G.ブレサードラ菌学会)

9月29日 (金)
《Piazza Cesare Battisiti》
10-22   トレンティーノ物産展
12-22  トレンティーノ地方料理、味覚広場
12.30-19.30 パフォーマンス “Caricature al Vino” U.サンカルロ 
21  トレント・ボンポルティ音楽学校アンサンブル・コンサート

9月30日 (土)
《Piazza Cesare Battisiti》
10-22   トレンティーノ物産展
10-22  トレンティーノ地方料理、味覚広場
10-22 ノン渓谷の味覚と伝統物産展 
16  ラ・バンダ・ディ・レヴォのコンサート 
18 ラッケ・ディ・コレドの民族劇
20.30  アレッサンドロ・ベンチヴェンガ・ショー

10月1日 (日)
《Piazza Cesare Battisiti》
10-22  トレンティーノ物産展
10-20  トレンティーノ地方料理、味覚広場 
9-17 全国アーバン・トレッキングの日 “ソープラパッソ”
14-18  ヴェルラ・ディ・ジョーボ(チェンブラ渓谷)の葡萄祭り
(15   山車の行進 )
15.30  ピッコラ・プリマベーラのバンド・コンサート
18.30 ルチアーノ・マチ ライヴアニメーション
20.30 閉会式 

《Spazio Arheologico sotterraneo del SASS》
9月22、23、24、29、30日 20‐22時 入場無料

10月1日(日) ショッピングデー (商店街オープンの日曜日)

2006年9月13日水曜日

Susino di Dro ドロのプラム


サルカ川の流れる渓谷の村落のひとつドロ Droはプラム(西洋スモモ)の産地。

  • - È da considerarsi un ecotipo locale di susina. Il frutto, che si presenta di pezzatura media e con buccia di colore violaceo tendente al blu scuro, ha una polpa molto consistente di colore giallo, giallo-verde, è spiccagnolo e si presta per una conservazione anche prolungata. Il sapore particolare, dolce e acidulo e l'aromaticità, che rappresentano le caratteristiche più spiccate di questa susina, sono legati a dei particolari contenuti chimici determinati dalla varietà e dall'ambiente unico, qual è quello della Valle del Sarca. Questi componenti la differenziano nettamente da altri tipi di susina e in particolare: l'elevato contenuto in acidi organici e soprattutto acido chinico, gli elementi minerali con netta predominanza del potassio che ne rappresenta circa il 40%, l'elevato contenuto vitaminico e in particolare il beta-carotene (provitamina A) e vitamina PP.

ドロとピエトラムラータの間、渓谷の谷底には『マロッケ』と呼ばれる、もともと氷河の作用による岩の堆積の特徴ある景色がみられる。アルコからトレント方面へ北上約4,5キロ。

2006年9月6日水曜日

Girolamo Romanino ジローラモ・ロマニーノ展

ブレッシャ出身の芸術家ロマニーノ(1485または1487-1560)展が行われている。
1514~1539年の間のトレントの司教 ベルナルド・クレシオの招きで、トレントに滞在していたのは1531~1932年とされる。ブオンコンシリオ城の中心パラッツォ・マーニョの壁画に代表する、城内の装飾の多くを手がけた。初回から約40年以来の展示になるそうだ。

場所:ブオンコンシリオ城 
Castello del Buonconsiglio

Via B Clesio, 5 Trento tel.0461-233770-fax.0461-239479
日時:7月29日~10月29日 10時~18時 (月曜日休館)

2006年8月30日水曜日

Brenta ドロミティ・ブレンタ



マドンナ・ディ・カンピリオMadonna di Campiglioからのドロミティ山塊ブレンタ。

晴天の日は、空の青さと岩肌の白さとのコントラストが、ブレンタをより一層壮大で厳格な山に見せる。

この日は1日で天候がさまざま変化したのでした。

2006年8月24日木曜日

lago di Tovel トヴェル湖


メリンダで馴染みのノン渓谷は、あたり一面の林檎畑が広がる日当たりの良い台地である。

中心地クレスから南西へ。針葉樹林に囲まれた湖、トヴェル湖はかつて熱い日にその一部が赤く染まることで有名になった。残念ながらその現象が見られなくなって20‐30年になるらしい。

湖畔一周できる遊歩道から、ドロミティ・ブレンタがそびえる姿が眺望できる。

2006年8月23日水曜日

Nardis ナルディスの滝

ピンツォ‐ロから北へカリソロCarisoloを通り、ジェノヴァ渓谷へ向かう登り坂が始まる。 アダメッロ・ブレンタ自然公園の指定地域に含まれるジェノヴァ渓谷に、100mを超える高さから二つに分かれて流れ落ちるナルディスの滝がある。

壮大な滝を見学するために、トレッキングのエキスパートである必要はなく、ポンテ・ヴェルデの近くまで車両侵入可能でそこから500mのところにナルディスの滝が見える。

ジェノヴァ渓谷はアダメロとプレサネラの間、いくつかの滝と湖を望める緑豊かな17キロに広がる谷で、トレッキングの経験の少ない訪問者から、サルカ川の派生地点であり、氷河の舞台が望めるべドレまで歩くコース、さらに、本格的なトレッキングコースなど、技量に応じて自然を満喫できる。

2006年8月22日火曜日

La Danza Macabra ダンザ・マカブラ(死の舞踏)



ピンツォ‐ロ Pinzolo の住宅地のはずれに、1515年建立の墓地のある小さなサン・ヴィジリオ教会がある。教会の外部南側面の20m以上に及ぶ『死の舞踏 Danza Macabra』の壁画は、1539年のシモーネ・バスケニスによるもの。

『死の舞踏 Danza Macabra』は主に北ヨーロッパに見られる壁画で、基本観念の象徴で、全ての人間が同等の運命を持つ、つまり全ての人間に死がある、ということだそうだ。

2006年8月10日木曜日

Tosella トゼラ



『トゼラTosella』とはトレンティーノとヴェネト方面でよく食べるチーズのひとつで、牛乳とcaglio (凝乳酵素)で作るそうです。

作りたても、まあいけましたが、鉄板で表面を焼いてポレンタと食べるのがもっと美味しい。

2006年8月8日火曜日

Cavalese カヴァレーゼ



フィエンメ渓谷の中心の町。

毎年1月最終日曜日に行われる、モエナMoenaからカヴァレーゼまでの長距離スキー競技『マルチャロンガ Marcialonga』でも知られる。

Strudel di mele  林檎のストゥル‐デル



トレンティーノ地方の最も代表的なお菓子のひとつ。

作り方はいたって簡単(練りパイ生地):

<材料>
小麦粉300g、 卵1黄身1、バター100g、 牛乳 半カップ 、干しぶどう 500g 、リンゴ 6個、塩、シナモン、レモンの皮の摩り下ろし少々

<作り方>
1、ボールに小麦粉と柔らかくなったバター50g、卵1個、ひとつまみの塩、少し温めた牛乳を加え、練り生地をつくる。柔らかいボールになったら15分ほど置く。
2、一方、リンゴの皮をむき一口大に小さく切る。干しぶどう、松の実、レモンの皮の摩り下ろし少々、シナモン、砂糖、バターの残りを混ぜる。
3、生地を麺棒でできるだけ薄く延ばし、2の材料を中にいれ、太めのサラミのかたちになるように包み込む。上に卵の黄身を刷毛で塗り、オーブンで50分焼く。

折りパイ生地(pasta sfoglia)と練りパイ生地(pasta frolla)のどちらにするかは好み。 私の知っている限りでは、練りパイ生地を使うのが正統派との意見が多い、けれど。

フィエンメ渓谷 Fiemme、カヴァレーゼ Cavaleseで売っていたストゥル-デルは折りパイ生地を使ったもの、中にリンゴがたっぷり入っていて、どちらかというと『アップルパイ』。 これもなかなか美味しかったです。

2006年6月14日水曜日

策略のない建築ーフェデリコ・ヴェンデル写真展

『策略のない建築ーフェデリコ・ヴェンデルの写真における空間の観念』というタイトルは、もちろん私が勝手に直訳したものですが、タイトルとおり、建築家が設計した構図ではない設計写真展です。

フェデリコ・ヴェンデル(1901-1999)スキオ生まれ、トレンティーノ出身の家庭に育つ。30年代から国内外写真コンクールに参加、高い評価を受ける。プロとしての活動において60年代からは主に建築物を撮影。70年からトレンティーノへ居を移し晩年まで過ごす。トレンティーノの土地に愛着を持ち、トレンティーノと深い関係をもつ写真家のひとりだそうだ。

写真は、建築物や静物の被写体に関わる影や光、風などの自然と、偶然でありながら、あたかも統計的、傾倒的、そして、幾何学的だったりする瞬間の交差点を捕らえた、とても美しいものばかりで、不思議な写真の掲載されているパンフレットに誘われて、興味を持って入ってみた甲斐は十分ありました。

写真展は6月22日まで、Torre Mirana, Via Belenzani 3, Via Manci 2-Trento にて

こんなのも見つけました。
http://www.iuav.it/Ateneo-cal/2006/05/architetture_senza_architetti.doc_cvt.htm

2006年6月2日金曜日

Maso Poli マゾ・ポリ


『Maso』とは、イタリア北部に見られる農地形態のひとつで、小作人用の住宅つき農地のことだそうだ。

Maso Poli(マゾ・ポリ)はロ-タリ平野とアデイジェ川を見下ろすように、トレント北部およそ10キロのラヴィスの丘陵プレッサーノにあるワイン街道の途中に建つ。

もともと1680年ポリ兄弟がこの丘を農地として入手、ぶどう栽培を始める。プレサーノは気候や標高、日照条件が栽培には最適で、しかも北部からの強い風から保護される立地、ガルダ湖からの吹き抜ける風がよく通るという土地柄、ぶどう栽培が古くから行われていたそうだ。

時代を経て地主が何度か変わり、1979年にトーニュ家が土地を購入。全体に15ヘクタールのうちの約10ヘクタールがぶどう畑で、ピノ・グリッジョ、テロルデゴ、ラグレインの栽培のために土地の耕作が始まった。

地層条件の検証から始まり認可を取得するまで何年もの歳月をかけ、漸くワインセラー(カンティーナ)として、改築が終了した。ぶどう栽培法もトレンティーノ地方の伝統的なペルゴラ法でなく、グヨット法がより立地条件に適合することで、現在は2haピノ・ネロ、4、5haピノ・グリッジョ、1、5haノジオラの他にミューラル・トッルガウ、シャルドネ、テロルデゴ、ラグレインを栽培、約7万本、525ヘクトリットルのワイン醸造を行っている。

ワインセラーは館内に50人までの試飲収容可、試飲とともに眺望を満喫する中庭に約25人ほど収容可能なテラスがあり、結婚披露宴や芸術や文化に関する展示など、あらゆるイベントの可能性があるスペースだろう。

またマゾ・ポリではB&Bとしても部屋を提供、秋頃新たに近代的建築のキッチンつきアパートも貸出す予定だそうだ。

Cantine Aperte カンティーネ・アペルテ(5月28日)



5月最終日曜日は『カンティーネ・アペルテ』と称しつまり、イベントに賛同したイタリア各地のワイン醸造所、セラーが一般の訪問客を招待歓迎した日であった。

トレンティーノSPAでは、『ワイン、スポーツ、フィットネス』をテーマに、サイクリング、トレッキング、二輪愛好者達をターゲットにし、カンティーナ(ワインセラー)を訪ねる行程を提案。 サイクリングコースにフランチェスコ・モゼ-ルが、トレッキングコースにアルペンガイドが、二輪コースにトレント・ロヴェレート二輪アソセーションが各々のコースに同行、カンティ-ナを訪ねながら、それぞれの移動手段に見合った行程を巡るというものだった。

また同日、トレントのスクデリア・トレンティーナ・ストーリカは『クラッシック・ワインとスピリットツアー』を提案。クラッシックカーでワイン街道からカンティーナを結ぶという、粋なイベントが催された。

トレント北部プレッサーノ、小高い丘陵に建ちワインセラーとB&Bを営む『Maso Poli マゾ・ポリ』で、ちょうど上手い具合に出発時間と重なった。

スピリットツアーの参加者のほとんどが古い型のアルファロメオの持ち主達で、しかも車は現在町で見かけるカラフルな色でなく、クラッシックな、ペンキをベタ塗りしたような印象のシンプルな白や赤。持ち主も随分大人の方々ばかりなのだ。

土地柄と絶景を生かしたモダン建築の建物と、クラッシックカーのまた絶妙な組み合わせが、なかなか素敵な光景でした。



2006年5月22日月曜日

Mostra Vini del Trentino トレンティーノ赤ワインとトレンティングラナ


地元産のぶどうで醸造される地元代表の赤、『Teroldetoテロルデゴ』と『Marzeminoマルゼミーノ』と地元の熟成チーズ『トレンティングラナ』との結婚。

マルゼミーノはヴェネト州でも醸造される赤ワインで知られる。
そのオリジナルは中近東とも北部ヨーロッパとも言われているが、トレンティーノではVallagarinaヴァラガリーナ地域(ロヴェレート近郊)に耕作される。ヴェネト州のマルゼミーノはどちらかというと甘口で、発泡性のものが多いのに比べ、トレンティーノ、ヴァラガリーナで耕作され醸造されるマルゼミーノは甘味がないことが特徴。

テロルデゴはその言葉が『チロルの黄金』ともいう意味から、北部から持ちこまれたことが明白で、トレンティーノの土地に特質があったのだという。主に Campo Rotariano カンポ・ロータリアーノ(トレント北部)で耕作されるぶどうの種類。まさにトレンティーノ代表的な赤ワイン。

Marzemino
-Vivallis Fornas 2004 ヴィヴァリス
-Letrari 2005 レトラリ

Teroldego
-Sangue di Drago 2003 サングエ・ディ・ドラゴ
-Clesure 2002 クレスレ

Trentingrana(12ヶ月、18ヶ月、24ヶ月)

まず、ヴィヴァリスと熟成チーズ。熟成12ヶ月のグラナとは相性がいい。
どちらかというと、レトラリの方が熟成チーズ向き。でもそれほどでもない。
マルゼミーノワインは、野生的、香りも強く新鮮であることが特徴。一般にあまり、熟成期間の長いチーズとはあまり相性が良くないらしい。

サングエ・ディ・ドラゴは18ヶ月のものととても良い組み合わせ。24ヶ月のものになると少し物足りないという感じ。
クレスレは熟成チーズのいずれもあまり特徴が感じられない。

サングエ・ディ・ドラゴもクレスレも樽熟成のワイン。テロルデゴは12年から15年の熟成が可能であり、同伴するチーズもマルゼミーノに比べ選択の幅が広い。

というわけで、三日目はワインとチーズの相性を試みる。
もちろんチーズの種類もかなりあり、このトレンティーノ産のグラナはほんの一例にすぎない。前回のハム、サラミ類の例もしかり。

ワインは飲むだけでなく、食事との組み合わせを楽しむということで、その食事が一層愉快になる一因であることに間違いない。アルコールが入ることによって上機嫌になり饒舌になるから楽しいというだけでなく、食事について、それからワインについて、あーだこ-だいいながら、長いお喋りを楽しむのも、いいと思う。

ただし講師も言っていた、あくまでも個人の好みが優先であるということに私も賛成だ。個人的に気に入ればそれはそれで良いということで、好みを優先するに限る、そうでなければ味を楽しむのでなく、知識と味を一致させたことの満足感に終ってしまうにすぎない。

2006年5月20日土曜日

Mostra Vini del Trentino スプマンテとハム、ルカニカ

舌が感ずることのできる4種類の味覚(甘味、酸味、塩味、苦味)と4種類のスプマンテが持つ特徴とを合致させる試み。食べ物と飲み物の互いが持つ相反する特徴で味覚の調和をとるということだそうだ。

スローフードのイタリアワイン部門で表彰されたスプマンテトレンティーノとルカ二カ、プロシュット・サン・ダニエレとの飲み合わせ

-Ferrari Brut フェラーリ ブリュッ 2001
-Methius メティウス 
-Cavit カヴィット 97
-Balter バルテル 99

2種類づつのスプマンテを飲み比べてみる。

最初のフェラーリとメティウス。フェラーリとルカニカ、メティウスとプロシュットの相性は、その逆より、よりしっくりしくる。 ということがハッキリと味わえる。

次のカヴィットとバルテル。昨日試飲した時のバルテルは、洗練されたスプマンテという印象だった。ところが、プロシュット、ルカニカと飲み合わせると後で苦味が口に残る感じ。

カヴィットは、どちらともまずまずの相性。でもフェラーリxメティウスの2種類にくらべるとどちらとも合うけれど、どちらとも特別という印象はない、あまり癖が強くないスプマンテ。

スプマンテとプロシュットはメティウスの組み合わせが一番『良い感じ』。
バルテルのように洗練されすぎていると、その時に口にするものを選ぶらしい、気難しいわけね。

んん、、これはなかなか面白い。

2006年5月19日金曜日

Mostra Vini del Trentino トレンティーノD.O.C.



イタリアソムリエ協会の案内による三種類のスプマンテ・トレンティーノDOCの試飲会に参加。

-BALTER  バルテル ブリュト・リセルヴァ ’99年
 すっきりした辛口、りんごとなしの香り、少しバナナとも思うフルーツの香り、口に含むと泡の粒子の細かさをすぐ舌に感ずることができる、洗練された味。

-Maso Martis Rosé マゾ・マルティス・ロゼ
 フルーツの香りが強い。口のなかで溶ける感じ。和食の食前酒にイケルかも?!

-Rotari demi secchi ロータリ デミ・セッキ
 前の2種類に比べると、泡の粒子が大きい。甘口でデザートに。

とりあえずの覚書、 詳細はまた別の機会に。

2006年5月16日火曜日

Mostra Vini del Trentino トレンティーノワイン見本市


トレンティーノSpA主催のトレンティーノワイン見本市が、18日から20日までテアトロ・ソッチャ-レ(teatro sociale)で開催される。今年70回を迎えるこの見本市では、トレンティーノ県下70社を超えるワイン製造業者が参加、およそ300種類のワインのほか、約50種類のグラッパや蒸留酒を紹介するそうだ。


それに伴い、パラッツォ・ロッカブルーナのオステリア・ティピカ・トレンティーナ では県下にレストランを持つ優秀なシェフが18日から21日までの4夜、交替でスプマンテ・トレンティーノD.O.C.と楽しむ創作地方料理を披露する。

春になり日が長くなってきたので、夕方からでも楽しめる、こういった催し物が目白押しです、ここトレントでは。




2006年5月12日金曜日

I CANEDERLI アヴァンギャルド

日本からの帰国早々友人の誕生会に招待されて、山小屋風のリゾートホテル内のレストランで頂いた、トレント地方料理のひとつ『カネーデルリ(Canederli)』なのだけれど、これがとてもお洒落で、伝統的地方料理も仕上げが変わるとこんなにも‘アヴァンギャルド’に変身すると感心した一品。

ちなみに、私がトレントに来て始めて覚えたカンツォーネはこの『カネーデルリの歌』で、友人や親戚の間で、日本人が歌うトレント方言の歌が結構喜ばれ、機会があるとリクエストされ、サービス精神過剰だった当時は得意げに何度も歌ってしまった。

『カネーデルリの歌』の内容は、簡単なレシピでこんな風に始まり、ところどころに地方独特の言葉がでてきてなんとも愛嬌がある。

Per fare i canederli col brodo e col ragu’
Se ciapa del prezzemolo e se lo taia su
Farina oio e zigole luganeghe col speck
Pan vecio senza migole en toc de formai sgneck
ecc.

これが伝統的な方法の作り方で、『カネーデルリ』は歌の通りにシンプルな食べ方をするのが本当は一般的で、家でも圧倒的にスープで食べることが多いのだけれど。